きのこ放射能測定:3 妙高周辺はチェルノブイリの影響?

もりとみず

2013年11月22日 09:07

長野の魅力は山とその恵み。
安心して、あるいは注意すべきところを理解して、楽しんでもらいたい。
というわけで、きのこ放射能レポ第3弾です。(今回採取場所は新潟ですが)



結果:Cs-137、134合算の値(前回データも含む) in Bq/kg

       ムキタケ     クリタケ      ナメコ
野沢    6.9±4.7
戸隠    6.0±6.1
妙高①   6.6±5.6  
妙高②  16.5±2.9   9.1 ±5.6
斑尾北麓          2.0 ±7.2     25.3 ±4.8
矢代             0.2 ±3.3

上3つは前回測定分を再掲。

コメント1)ナメコ25

今まで測ってもCs134+137 合算一ケタ(誤差も同程度)ばかりだったので、群馬県から遠ざかれば被害は少ないなとナメてたけど、25は多いなあ。
食品基準100だから、大人がたまに食べる分にはいいとしても、気持ちよくない。

次回、水にさらしたものを測ってみよう。たくさん採れたら、ムキタケのように塩蔵も測りたい。

ちなみにクリタケは長野県の発表でも2012年に長野市で95というのがあって、高いかと思ったが、今回はさほどではなかった。

コメント2)場所?による違い

妙高②でムキタケ16.5と高めだが、6.6の妙高①から標高200mほど下。
場所により、株により、生育環境により、などなど、これぐらいの違いはあるんだろうなあ。
サンプル数をむやみに増やせないので場所に関しては傾向を見るだけだ。

妙高②はクリタケも高いので、場所的に高いのかも、というぐらい。

コメント3)チェルノブイリの残り?

上の表は合算値だが、今回測定した3地点(表の下3箇所)でCs134はほぼ検出されていない。
つまりCs137ばかり。合算10を越えた2つについては以下のとおり:

             合算      Cs137       Cs134
妙高②ムキタケ     16.5±2.9    16.5±2.9         不検出<5.0
斑尾北麓ナメコ   25.3 ±4.8  25.3 ±4.8    不検出<8.7


ナメコのスペクトル 左の赤が137、右のピンクが134

長野市民測定所の市川さんの感想として、
これだけはっきり137が出て、134が出ないのは特徴的。
福島由来なら今年なら2:1ぐらいになる。
考えられるのはチェルノブイリ(1986)のもの。半減期2年の134は出ないで半減期30年の137が出る。
この辺、わかりやすい解説はこちらのサイト

上の2箇所は、群馬県境からは、岩菅山(志賀高原)、高社・カヤの平山塊、関田山地(斑尾)の3つの山を越えた場所だ。
福島の影響は小さいだろうと思ってきのこがりは主にこっちでやっているのだが、なんと福島由来でない(多分チェルノブイリ)セシウムも気にしなくちゃならんとは!
しかもどこでも高いわけではない。局所的にたまっているとすると、どこにあるかわからない。ショックです。

ちなみに、上の10Bq/kg越えのムキタケ、ナメコは割と平らなところで採った。倒木または立ち枯れに生えていた。土中のセシウムを吸収した木が枯れて、そこについたキノコがそれを吸収したと思われる。
放射能の影響は長く続くねえ。
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詳細データ

測定日 2013年11月21日
採取 11月18,20日 妙高北麓周辺3箇所

放射能の単位はBq/kg

            合算      Cs137     Cs134
妙高②ムキタケ  16.5±2.9   16.5±2.9   不検出<5.0
妙高②クリタケ    9.1±5.6   8.6±2.9             0.4±2.7
斑尾北麓ナメコ   25.3 ±4.8  25.3 ±4.8    不検出<8.7
斑尾北麓クリタケ  2.0 ±7.2   0.7 ±3.7    1.3±3.5 
矢代クリタケ     0.2 ±3.3  不検出<5.6    0.2 ±3.3 
ムキタケ     野沢600-800m付近/戸隠1240m/妙高780m

野沢の品を塩蔵したもの(少々塩がついている)、12日塩蔵後、水洗いして水を替えながら塩出ししたもの

Bq/kg
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